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Premiere(US)
2005年 2月


CAST OF CHARACTERS
Kathryn Bigelow, 監督, Point Break (1991)
Sandra Bullock, 共演者, Speed (1994)
Glenn Close, 共演者, Dangerous Liaisons (1988)
Jan De Bont, 監督, Speed
Francis Ford Coppola, 監督, Bram Stokers Dracula (1992)
Tim Hunter, 監督, River's Edge (1986)
Shia LaBeouf, 共演者, Constantine (2005)
Francis Lawrence, 監督, Constantine
Richard Linklater, 監督, A Scanner Darkly (2005)
Nancy Meyers, 監督, Something's Gotta Give (2003)
Carrie-Anne Moss, 共演者, The Matrix (1999), The Matrix Reloaded (2O03), and The Matrix Revolutions (2003)
Jada Pinkett Smith, 共演者, The Matrix Reloaded and The Matrix Revolutions
Joel Silver, プロデューサー, The Matrix, The Matrix Reloaded, and The Matrix Revolutions
Ione Skye, 共演者, River's Edge
Erwin Stoff, マネージャー
Charlize Theron, 共演者, Devil's Advocate (1997)
Gus Van Sant, 監督, My Own Private Idaho (1991)
Alex Winter, 共演者, Bill & Ted's Excellent Adventure (1989) and Bill & Ted's Bogus Journey (1991)


YOUR TIME WITH MR. REEVES IS NOW UP!" KEANU REEVES BELLOWS, IN HIS BEST GOD VOICE..

2,3人の身なりのよいゲストがロスのシャトーマーモントホテルのロビーで カクテルを飲みながら話をしている。くすくす笑っていたり、周囲を見回しているように見えたのが止む。彼らは不意をつかれる。彼は正気なんだろうか? そして続く沈黙の中、かのキアヌ=リーブスを除いてはみんながうろたえている。 彼は深く頭をたれておじぎをして、そして笑う。まるで 片足を炎につっこんだ中年のおやじのように少々取り乱した感じだ。

機嫌がよいときはキアヌ=リーブスは馬鹿話の主役だ。とっぴな論議から 結論を導びいたり、即席のものまね(彼のアル=パチーノの物真似はすばらしい)をしたり、またときどき心臓が止まりそうになるくらい"Bluuuuhhh!" を爆発させる。Bram Stoker's Draculaの話題が出るといつも、 彼のジョークはとても単純に笑い飛ばすには程遠く、「ハハハ。。。(シーン)」という感じになり、笑おうにも困惑してしまうのだ。

キアヌ=リーブスは40歳になり、エニグマと呼ばれるようになってから ずいぶんと久しくなる。ほぼ20年の間、観客と同様に批評家を困惑させたり熱狂的に迎えられたりしつつ、キャリアを築いてきた。彼は自分の知性と160億ドルという天文学的ともいえるマトリックスの成功とそしてゲイ疑惑、また 一番致命的なのは彼の才能(なんとGoogleで、"Keanu Reeves"と"bad actor" のキーワードで検索すると7000を超えるサイトがヒットするのだ)についての 推論を尻目に同世代の役者よりも長く、そのキャリアを築いているのだ。

Bill and Ted's Excellent Adventure(「ビルとテッドの大冒険」)公開後の 16年間彼はいまだに天然ボケの足りないやつだと思われている。皮肉にもこれはキアヌにとっては痛手ではない。彼は「ぼくはあの役にぴったりなんだ」と笑って言ってのける。またそれと同様に、彼は年をとるごとにリトルブッダでシッタールタ、マトリックスのネオ役でもみられるように、 人間の本質を探求することに深く関心を持っている。次回作のA Scanner Darkly(小説の邦題:「暗闇のスキャナー」)では麻薬中毒の麻薬捜査官の 分裂した精神を演じる予定だ。また今月公開されるConstantineではタイトル と同じ名前の主人公で肺に腫瘍ができるほどのヘヴィースモーカーのダークヒーローを演じる。これらは彼が今まで生きてきて、多くのものを失ってはじめて 理解でいる境地にいたったキャラクターである。 「彼が人生に求めているものはほんの少しなんだ」と Reevesは紫の煙をくゆらしながら語る。 「彼がそんな境地に至っているんだ。疲れきっていて皮肉なんだけど 希望を持っている。わかるかい?彼は地獄と天国のすべてを見てきているんだ。

"IMPOSSIBLE INNOCENCE"

Keanu Reeves: 僕の最初のコマーシャルはCoca Colaだった。僕はとっても汗をかいていなくちゃいけなかった。その状態で額のところで瓶を振っていたんだ。その前に 僕はGoing Great(1982)という番組でホストをやっていた。(註:第三シーズンのみ) 僕は何かの活動しているティーンエイジャーといっしょに活動したり、槍投げを習いたがっていた女の子と会って話をしたものだった。15歳のときに、「俳優になりたいんだ」と言いに行くと、母は「もちろん」といってくれたんだ。その後すぐに夜間クラスにいったんだ。それはHagenの「Respect for Acting 」をベースにした僕の演技を学ぶ最初の授業だったんだ。

Erwin Stoff:僕は彼が13歳のときに彼の義理の父(Paul Aaron,1966年キアヌの母、Patlicia Taylerと結婚その年のうちに離婚)を通じて 知り合ったんだ。ある見方をすれば彼はうわべはちょっとピントのずれたわんばく坊主だった。でもすばらしく誠実な少年だったんだ。でもね、今も俳優に なるためにロスにくるなんてのは思慮のないことだと思っているけどね。

Keanu Reeves: カナダを離れておよそ1年後にグリーンカードを取得できた。 僕は僕に歩き方を教えてくれたある人から買った1969年もののレーシングのための緑のボルボを持っていたんだけど、煉瓦でシートが支えてあって、新聞で床の穴をふさいであった。車でいろいろな旅をしたけれど 驚くべきマシンだったよ。僕は友達とモントリオールからトロントまでその 車できたんだ。モントリオールに到着する前の夜は、とぎれとぎれに煙をはきながら走っていたんだ。17歳だ。手に入れた最初の車がこれだ。学校もいかない。(註:キアヌは高校を素行不良で中退している)何ができるんだろうね。

Erwin Stoff: 僕は彼がロスにやってきたときに電話を受け取った。僕が彼を助けることができたかって?僕はまったく好意で彼をShowbiz界に送り出したんだよ。

Tim Hunter: 僕は1985年RiversEdgeの撮影にあたってその時代のブラットパックをに見えないような若い奴をさがしていた。Keanuは僕の求めていたものを持っていた。テキサスでマット=ディロンの映画を監督していたときに彼に会った。 あまり経験はないが悪い習慣もなく彼らが何をしているのかを心でとらえ それが本音だということを理解していたんだ。

Glen Close:Stephen Frears(「危険な関係」の監督)がパリでピクニックを計画したとき、私はまだひどい時差ぼけだったの。キャストのために大きなバスが用意されていて、私たちはホテルの外で待っていたの。一番最後にやってきたのがKeanuだった。出てくるのは彼が一番遅かったの。彼の髪は長くて だぶだぶのパンツと本当にダブダブのアーミージャケットを着ていたわ。 そしてナップサックか何かを持っていたの。彼はセントバーナードの子犬のようだったわ。ボールを投げたら、とりにいくんじゃないかと思ったほどよ。 私は「私が彼を恋するようになるの?」と思ったのを覚えているわ。

Francis Lawrence:彼と僕とはChateau Marmontでいつも打ち合わせていた。 我々はConstantine(邦題:コンスタティン)の準備をしていたんだ。でも 当時、彼はSomething’s Gotta Give(邦題:恋愛適齢期)を撮影していたんだ。あるとき、僕と妻がChateau Marmontのダイニングで夕食を食べているとき、彼が何かを持ってもんどりうって入ってきた。「何をするの?」と聞くと彼は「特にないよ。今仕事から帰ってきたんで、ステーキを作ろうと思って」 そして、彼はちょっと頭を下げてキッチンに入っていったんだ。

Francis Ford Coppola:当時、Winona Ryder(註:「Scanner Darkly」でも共演)は当時(1990年ごろ「ドラキュラ」撮影時)はJohnny Deppと付き合っていた。そして私は最初Jonathan Harker役は彼に演じてもらいたいと思っていた。だが、スタジオは彼はJonathan Harker役にはスター性がないと思ったんだ。私は非常に困ってしまってね。で、Winona Ryderに「どうだい。誰だったら、彼らはOKすると思う?」と聞いたら、彼女は「キアヌ」と答えたんだ。 私はちょうど彼だったらいいんじゃないかと考えた。私は彼の誠実さはひどく印象的だったからね。

Keanu Reeves: Bertolucci(「リトル・ブッダ」の監督)は僕にシッダルタ王子を演じてほしいといったんだ。僕は彼にどうしてかと尋ねたんだ。そうしたら彼は「君がありえない純粋さを持っているからだ」と言っていた。

Francis Ford Coppola: Dracula(邦題:「ドラキュラ」)撮影時、印象的なことがあった。私のナパバレーにある私の自宅でキャスト全員が滞在していたんだ。まるでたくさんの私の子供がいるようだった。あるとき、私がキッチンに下りていくと、そこにKeanuがいたんだ。彼はTシャツで起きたばかりという感じだった。なのに、彼はビールでドーナツを食べているんだよ。 私の息子はもうそんなことをする年でもなかったので、そんな彼がとてもCuteだった。keanuを見るといつもその光景を思い出すんだ。

Keanu Reeves:「ドラキュラ」はとてもすばらしい環境で撮影した。 朝、走りに行って、夜は星を見上げたり、監督の調査のためのライブラリーに行ったり、彼といっしょに過ごしたりした。Tom Waits(コッポラの家族ぐるみの親しい友人、「ドラキュラ」でもキアヌと共演)がピアノ弾き語りでWinonaに向かって"Waltzing Matilda"を歌っていたときはWinonaが泣いていた。あれはすばらしかった。Les enfants du paradis(まさにパライダイスにいる子供たちだった)

"HE'S NOT TED"

Keanu Reeves: 僕は楽しんで生活しているよ。Tedを演じているときはそのことに集中していた。彼は、何事も評価しないんだ。彼は一番いいものをみたいと思っていて一番いい方法で生きているんだ。彼の長所だとは思わないけどね。

Alex Winter:オーディションは悪夢のような200人の俳優からなる「コーラスライン」の(LSDの)トリップバージョンみたいな感じだった。オーディション会場にはPauly Shore, Keanu, Kiefer Sutherland そして誰かといっしょだった。 サークルKで僕たちが出会うシーンを課題に与えられた。僕らは二人がどんなふうにつるむようになるかを表現しようとした。そうして、僕らが選ばれたということを聞いた。僕らが監督との話し合いのためにInterscopeの事務所に行ったとき、Keanuは自分がBillで僕がTedをやると思い込んでいたらしいんだ。アシスタントがやってきて実はKeanuがTedで僕がBillということを告げたとき,Keanuの顔色がかわったんだ。Keanuは実はBillを演りたかったんだって。

Gus Vam Sant: 「マイプライベートアイダホ」の撮影時、彼はまったく役柄をわかっていなかった。時々俳優達は最高の何かをつかむためにいろいろ考えていた。Keanuにとって、この役は麻薬的に魅力がある奴だった。それは危険なキャラクターだった。人々はこの次の映画でその俳優をみたら、このキャラクターをどこかでみたことがあると思うに違いないから。「マイプライベートアイダホ」にはそんな味があった。

Alex Winter:たぶんTedのもつ "Whoas"とか"Dudes"とかいったTedの部分が彼の中に染み付いてしまったんだと思う。でも彼はTedじゃない。彼は 恥ずかしがりやで知的なトロント出身の普通の人間なんだ。彼はSo-Cal(註:So-Calは恐らくブランド名と思われます。詳細はこちら)にたむろするの だけは絶対やめそうにはないだろうけどね。。

Richard Linklater: 彼はとても勉強家だ。人生ずっと学び続けようという姿勢だと思う。僕もそうありたいと思っている。つまりぼくはカレッジを終えていない。僕らは何か共通点があるんじゃないかと思っている。欠点は欠点で認めるしかないけれど。

Glenn Close: 彼のキャリアの最初のほうではちょっと風変わりなイメージが先行していたわ。 私はそういった風評よりも反対の面のほうが本当の姿だと思うの。彼はいつも知的な本を読んでいるわ。そして単に俳優としてよりももっと深くいろいろな物事に関心を持っているように思えるの。だから彼は20年もShowbiz界で生き残ってこれたのよ。

Erwin Stoff: 「危険な関係」のStephen Frears監督や「バックマン家の人々」のRon Howard監督、Michelle Pfeiffer、Swoosie KurtzやJohn Malkovich(いずれも「危険な関係」で共演)といっしょに映画の仕事をすることが将来にわたって良い影響を受けたんだ。Keanuと僕は彼らといっしょに仕事をすることが将来、キャリアを積むことになると考えていたんだ。だから、彼はその当時の矛盾した花形スターの役を演じなかった。それは彼がいわゆるティーン向けの映画に出演し続けなったのもその理由からだ。僕は彼に真のキャリアを積んでほしかったんだ。

Joel Silver:僕は世界中に「彼がちょっと足りない奴」だという間違った考えが横行しているのを楽しんでいるよ。

Erwin Stoff: こういうことがいえると思うんだ。My Own Private Idahでもそうであったように彼が創り上げたBill & Tedがまさに彼自身をそう見せているんだ。 それが滑稽なほど成功したために彼のイメージを固定してしまっただけなんだ。 彼はプレスに出るときは非常にナーバスになっていたので、プレスは人々の関心をひくために「彼が誰かって?彼がTedさ」と書きたてたんだ。

Keanu Reeves: Alex と僕がアリゾナ州にいったとき、マクドナルドにいって食事してしばらくそこにいた。その後プロダクションの事務所に戻ったら、ある男が「道を横切っているときに生のビルとテッドを見たぞ」と話しているのを聞いた。僕らが部屋にはいると「あれは君たちだったのか?」といった。 それってすごいことだと思わない?僕は好きだよ。「そうだよ。それは僕らだよ」

"HE GETS WOMEN"

Keanu Reeves: 僕はティーンアイドルだと思ったことはない。

Ione Skye: 私と彼は一度いっしょにオーディションに行ったことがあるの。そうしたら40歳くらいの女性のプロデューサーがいたの。彼が部屋から出ていくと、彼女は「まあ、彼っていいと思わない?」っていっていたわ。 私はそのとき、そこにいたどんな年代の女性も彼に熱をあげていることがわかったわ。

Nancy Meyers: 彼は「恋愛適齢期」の撮影時Diane Keatonに会って喜んでいたわ。私は彼は現実的には彼女に惹かれていたと思うの。私はジュリアン役のために他の俳優にも会ったけれど彼らは「どうやったってこんな年増のおばさんに熱をあげるなんて信じられないね」という感じだった。彼はそんなこだわりなんて全然見せなかったのよ。

Tim Hunter: Ioneは「リバースエッジ」の撮影時、15歳か16歳だった。敢えて言わせていただくと、彼女はあまり男性経験がなかったと思っていた。だから 「リバースエッジ」のセックスシーンを監督するときにいろいろ伝えたいことがたくさんあったけど難しかった。僕らは公園でその撮影をした。そこがまた凍りつくほど寒くて、とても悲惨な状況だったのを覚えている。でもKeanuとIoneはそんな状況下でもそのシーンを演じきったんだ。テイクにつぐテイクにも一言も不平もなく、平静にそのシーンを演じきった。合間にビールを飲んだり寝袋に入ってそこらへんで眠ったりしてね。

Ione Skye: 照明の下で、私たちは本当にばかに見えることをやっていたわ。私はカバーの下で彼といっしょになっているのが楽しかった。でも撮影が開始されるとかわいそうな監督は「セリフが棒読みになっているよ。今、自分が楽しそうな様子をそのまま表現して」ということをいっていたわ。Timはエロティックでべたべたの髪をして女の腋の匂いをかぐような恋人といっしょにばかなことをやらせた最初の監督よ。そのシーンの撮影の後、私たちはパンケーキレストランで朝食を食べたの。

Charlize Theron: 私は1996年に彼がバイクで事故をした直後、まだ彼がまだ足にギプスをつけているときに会ったの。私は、Keanuがそんなひどい事故にあっても全然落ち込んでいないところが好きだった。彼はギプスがとれるのを待ちかねたようにバイクに乗っていたわ。私は半分冗談で、「ねえ私、ずっとバイクの乗り方を習いたいと思っているの」と言ったの。そうしたら、彼は「いいね。教えてあげるよ」と言ってくれたの。1年をすぎても、彼はそのことを全然忘れていなかったのよ。「Highlandには駐車場がたくさんあるけれ ど...」そして彼は私にハーレーの乗り方を教えてくれた唯一の男性だったわ。

Jan De Bont: 彼は男性にとっても女性にとっても安心できるんだと思う。だから彼はどちらにも魅力的なんだ。それが鍵なんじゃないかと思っている。

Gus Van Sant: デビッド=ゲフィンとの結婚の噂が流れたとき、人々はその噂を本当だと信じた。僕はDavid Geffenにその噂について聞いてみたんだ。 そうしたら、彼は「その噂、誰が話したにせよ、悪い感じはしなかった」と言っていた。(当時、両方ともその噂を否定した。)

Sandra Bullock: 彼は女性の心を捉えるわ。彼は女性を理解しているし、女性を愛している。

Nancy Meyers: 「恋愛適齢期」で彼がDian Keatonにキスしたとき、私はDianには 好奇心はあるけれど、躊躇しながら、キスを返してほしかったの。でも彼女ったら、彼に狂ったようにキスしていたの。私は彼女のところに行って、こう言ったのよ。「違うわ。Dian、そんなにキスに入り込まないで。あなたはジャック(ニコルソン)と恋に落ちているのよ」。そうしたら、彼女ったら「そ、そ、そうだったわ。」と言っていた。彼はとても魅力的なの。彼女はそのときは脚本の前後関係をまったく忘れてしまっていたのよ。

Keanu Reeves:あの役柄では彼(ジュリアン)は彼女のそばにいて彼女の幸せを願っている演技をしたんだけど、いいタッチで演れたんじゃないかと思う。僕は「彼は治療に専念しているんだ。彼は心も治すんだ」と考えたんだ。

"HOLDING THE MIRROR UP TO NATURE"

Keanu Reeves: 新しい役を演じるとき、僕は外に出てそういう人を見つけにいくんだ。Draculaの撮影時には僕はロンドンに行って何人かの事務弁護士と会ったし、その感じをつかもうとした。GiftのときにはSavannahに行っていくつかのバーに行ったり、トラックを選んだり、町のホールに行って、レッドネック(白人労働者)についていろいろ聞いた。僕はRedNeckというものがどんな風なのか知らなければいけなかったんだ。

Nancy Meyers:「恋愛適齢期」でも脚本にあるSouthhampton Hospitalという病院のER(集中治療室)を見学していました。医師は手術前に手を洗いながらベットの足元に立っているkeanuを「友人のMr.Reevesです」と患者に紹介していました。 翌日、Keanuは電話をしてきて、病院の見学のことをはなしてくれました。「まあ、僕たちはいったほうがいいのかなと思って」なんてことを彼はいうのです。私は「ちょっと『たち』ってどういう意味?」と返してしまいました。それだけ彼は演技の役柄にのめりこんでいたのです。

Francis Lawrence: 彼とぼくはいっしょに聖職者に会って話を聞いた。私たちはエクソシズム(悪魔払い)に使われる何か変わった文句や韻文を聞きたかったんだ。我々はMel GibsonのThe Passion of the Christ(邦題:「パッション」)に深く関わった人を紹介してもらえた。彼にはKeanuのラテン語をずいぶん助けてもらった。また腫瘍学の研究者にも会いに行って肺がんについて教えてもらった。咳をするとどんな風になるかなんかをね。撮影時に彼の肺がんが悪化していく状態を意識して撮影した。そのときは私たちが強制して吸わせた煙草のせいで、どす黒く青ざめて見えたよ。

Jan De Bont: (「スピード」の)最初のスクリーンテストのときは彼の髪は肩くらいの長さだった。だが2週間後、彼はとても短く刈り込んできてくれた。そのほうが実際にSWATらしく見えた。彼は本当にSWAT隊員に見えるようにしたかったのだと思う。みんなは非常にショックを受けていたけれどね。

Gus Van Sant: (「マイプライベートアイダホ」の撮影時、)River Phoenixはどういう風に演技をするのかができていないので、焚き火のシーンの撮影をスケジュールの最後のほうに持ってきてほしいと頼んできた。脚本には 焚き火のシーンには実際の映画にあった親密さを出す部分にはまったくなかったんだ。実際の撮影時には彼はマイクがScottを愛しているという内容のくだり、「僕は君にキスしたいんだ」という部分ができあがっていた。僕が気にかかったことといえば、Keanuのことだった。「Keanuはどこに行った?Keanuはこれを知っているの?」と聞くと、Riverは「Keanuは全部わかっている」と言っていた。そうなんだ。あのシーンは彼ら二人で創り上げたものだったんだ。 彼らはそのセリフを知っていた。でも僕はまったく知らなかったんだ。僕は彼らが紙のきれっぱしにそのセリフを書き下ろしているのを見たことはあったけど、判読できなかったんだ。

(註:以下のシーン。好きなんで、訳しちゃいますネ)
Scott Favor: I only have sex with a guy for money.
(僕はお金のためにしか男と寝ないよ)
Mike Waters: Yeah, I know.
(もちろん、そうだね)
Scott Favor: And two guys can't love each other.
(男がお互いに愛し合うなんてことはありえないさ)
Mike Waters: Yeah. (そうだね)
Mike Waters: Well, I don't know. I mean... I mean, for me, I could love someone even if I, you know, wasn't paid for it... I love you, and... you don't pay me.
(いや、わかんないけど、つまり、僕にとってはお金を払ってもらえなくたって誰かを愛することができたかもって思うんだ。好きなんだ。君が)
Scott Favor: Mike...
Mike Waters: I really wanna kiss you, man... Well goodnight, man... I love you though... You know that... I do love you.
(君にキスしたくてたまらない。お休み。。。。でも、本当に好きなんだ。気がついていただろ?本当に好きなんだ)

Shia LaBeouf: 彼は製作準備段階に役柄の準備をしているときに調査した内容を詰め込んでいるフォルダーを持っているんだよ。彼はセリフの1行に1ページもの彼の調査した事柄や解釈を書き込んでいるんだ。Keanuはそういうことについては秘密主義なんだ。彼の役柄に対して考えていることは異常に大きいんだ。あまり自分の役柄についての理解がない人が彼の側にいると、馬鹿みたいに思えちゃうね。

Gus Van Sant: 僕は彼はシェークスピアの役柄に遠くはないと思っていた。つまり、実際、シェークスピアのハル王子(「ヘンリー四世」の登場人物、ヘンリー四世の放蕩息子。後にヘンリー5世となる)は男娼ではないが、壊れた家庭で生き抜くことはもっとサバイバルだと思うんだ。根源的な「父」たる者への怒り。そういえば、そんなことを考えると私たちがそれぞれの登場人物のことを議論していたと思う。

Keanu Reeves: 僕はその役柄に共通点がそこにあったと考えている。 僕が役を理解していくた中で、これらの2つの要素が出会う。その役どころが僕というものを何たるかを教えてくれる。役柄の本質を映そうと鏡を持ち上げるんだけど、それが映すのは自分自身なんだ。

"I DIDN'T MESS WITH HIM WHEN HE WAS IN THE ICE"

Keanu Reeves: 僕は自分の家も仕事場なんだ。

Richard Linklater: Keanuは止まることを知らない。「これがPhilip K. Dickの作品だよ。ここに彼がこれについていいたいことが書いてあるよ。僕は原作のドイツ語の部分も翻訳したんだ」なんてことを彼はいうんだよ。彼はホテルでも仕事をしているんだと思うよ。

Shia LaBeouf:彼はうまく演技ができないときにはひどく意気消沈して自分を責めるんだ。もし彼があるシーンでよくなかったりするといらいらして立ち去って、いらいらして目が覚めて、そしてそのままセットにやってきて、演技に集中しようとするんだ。彼のテイクが終わると、彼は心身ともども休めるんだよ。

Richard Linklater: ("Scanner Darkly"の)撮影時には彼は「なんてことだ。もう一度撮影しよう」てな感じなんだ。彼はいつも自分自身に話しているだけど、彼が誰かに向かって怒鳴りつけているように見えるんだ。

Jan De Bont: (「スピード」の)セットでは彼はシェークスピアを諳んじていた(恐らく「ハムレット」と思われる)。突然、高速道路を歩き出しまったく違う脚本を諳んじるんだ。実際にそこに聴衆がいるように。ときどき彼はある人に向かって歩き出し、とうとうと語り続ける。それは気まぐれでやっているわけではないんだ。彼はよりよい役者になるたいためにそういうことをやっているんだと思う。

Joel Silver: (「マトリックス」の)Wachowski兄弟監督はあの作品で4人の俳優を武術をマスターさせて、スタントなしで撮影したいと思っていた。企画当初の頃、私は坊やたち(Wachowski兄弟監督のこと)にいったものだ。「ありえないよ。もし誰かに家のペンキ塗りをさせたいんだったら、専門の業者を雇うだろ?ペンキ塗りの業者に見える俳優を雇うかい?スタントを使おうよ」 ところがKeanuがきたからたいへんだ。彼はクレイジーだよ。彼のアプローチはまるでプロのスポーツ選手のようだった。彼はトレーニングにトレーニングを重ねた。彼の完璧主義が他の俳優にも影響を与えたと思う。彼らがそんなKeanuを見たら、彼らも同じようにやりだしたからね。

Jada Pinkett Smith:オークランドで撮影していたときに、セットの近くに氷を浮かべた子供用のプールがあったの。私は「ここには飲み物を冷やしておくのかしら」と思ったんだけど彼らは「Keanu用なんだよ」というの。そのとき、私は事情をのみこめなかったわ。でもワイヤースタントのためのトレーニングをはじめると、1回やるとよくわかったわ。全身がひどく痛むの。彼は全身の腫れを冷やして痛みをとらなければならなかったのよ。氷の中にいる彼の邪魔はしなかったけれど、実際「ねぇねぇわかっているでしょ?私もそのプールが必要だわ」と言いたかったわ。

Kathryn Bigelow: 私たちが「ハート・ブルー」の撮影に入る前に彼はKawaii島に行ったの。当時は彼はKawaii島がサンゴ礁で波が高いのでサーフィンを習うのにいい場所だと思っていなかったの。私はそこはWaikiki Beachとは違うということをわかってほしかったの。そこには経験豊なサーファーにとっても危険なところだったの。私は彼がちょっと経験をつんでほしいと思っていたかったのだけど、いや、むしろ、謙虚になってほしいと思ったの。まさにそこには私がその登場人物にあってほしかったものがあったの。すばらしかった。

Keanu Reeves: 僕はたくさんのトレーニングを続けていかなくてはいけないと思っている。サーフィン、射撃、Rick Neuheiselは(「リプレイスメンツ」の撮影時)フットボールの投げ方を教えてくれた。ほんの短い間だったんだけど、よくわかった。すばらしかったよ。

"WELCOME TO SUPERSTARDOM, BABE"

Keanu Reeves: 僕はけっこうどこでも出かけていくんだ。大抵の人は気づかない。たまに誰かが「Hi」といってくれるけどね。

Jada Pinkett Smith: (「マトリックス」のプロモーションで)私は本当は日本に行きたくなかったの。そしたら彼は「聞いて。楽しくすごせることを約束するよ」って言ったの。彼はいろいろな美しい寺院(こちらでも明治神宮で彼を見たという目撃情報がありました)やショッピングエリアに連れていってくれたの。そしたら彼がローレンス(=フィッシュバーン)と奥さんの結婚のお祝いを買わなくちゃ。たぶんアンティークのポットなんかいいんじゃない」って言い出したの。ある場所で立ち止まったら、それも2,3秒しかなかったんだけど、何千もの人々が私たちに雪崩れてきたの(こちらをごらんください)。今や私の夫(ウィル=スミス)は世界でも有数のエンターテイナーだけど、こんな狂乱したファンはみたことがないわ。どこにいったって。私はそんなファンのフィーバーを初めて見たの。日本ではKeanuは神様なのよ。

Shia LaBeouf: 僕たちは人気のない通りで撮影していたんだ。午前6時私たちがきたときには誰もいなかったのに11時になっても誰もいない。午後3時、4時、5時になってようやく一人の男が通りかかっただけ。ところが、30分の間に60人もの人が集まってきたんだ。ここはロスのダウンタウンだけど、壊れたように見える家なんかがあって荒れ果てているところなんだ。そして彼はビルの中にいたみんなにサインをしていたんだよ。私たちは彼がサインし終わるまでセットを閉じていなくてはいけなかった。僕はどうして彼が今も働き続けているのかがわかる。彼はファンを敬愛して大事にしているんだよ。

Joel Silver: 僕たちが日本から帰ってきたばかりのある日、彼はマトリックスの全てのレビューを読みたがったんだ。中には彼を非常バッシングしているものもあったよ。僕は彼にこう言ったんだ。「気を悪くすることはないよ。君は自分が稼いだだけのことをしているんだから。彼らは君をだめにしようとしている。"Welcome to superstardom, babe."ってね 」

Keanu Reeves: パリのシャンゼリゼ通りを歩いていると「ママン、ママン、ネオだよ!ネーオ!!」というのを聞いたんだ。そこには小さい男の子とその母親がいて僕のすぐ前を歩いていた。僕は顔を隠していたんだけど、向きを変えて「Hi」って言ったら、その坊やは目をまんまるくしていた。そんなことが楽しいんだ。

"THE HERO'S JOURNEY"

Keanu Reeves: マトリックスのネオはトリニティといっしょに暮らして、メイクラブして、子供をもって普通の人生を過ごしたかったと思うんだ。そう思わない?僕はいつもWachowski兄弟にそう言っていたんだ。古典的なヒーローの定義は、自分の人生を引き換えにしたところにあるんだ。ヒーローとしての行動、自分自身の発見、共同体に対する自己犠牲、それこそがヒーローなんだ。

Joel Silver: 1998年マトリックスの撮影を始めてから、終わるまで、僕たちは悲しいことがたくさんあった。(最初のマトリックス撮影後、彼の娘は死産となり、またその後、別れたJennifer Symeも2001年に交通事故で亡くなった)彼自身、役柄に先行するような形で悲劇に見舞われたんだ。でも彼はそれを乗り越えた。

Carrie Anne Moss:私はマトリックスの撮影そのものが彼にとっての癒しだったと思うの。マトリックスの映画制作に参加した人はみんな彼を好きだったの。それはまるで家族のようだったわ。

Joel Silver: 僕にとってはKeanuはNeoだよ。マトリックスの1作目でエージェント・スミスと戦うシーンがあるよね。彼は手を差し出して「All right, come on.」というところ、僕はここにある彼の信頼、強さのイメージが好きなんだ。ここには自分が絶対スミスを倒すという信念があるんだ。

Keanu Reeves: (「リトル・ブッダ」の撮影時)ガンジス河で、対岸の寺院で葬式や禊をしているのを見いていた。やがて死を迎えるけれども、彼らには輪廻転生という考え方があるんだ。桟橋にいる観光客。遺体を荼毘に伏す遺族。古い石造りの建物。遊ぶ子供たち。犬をおいかける猿。猿をおいかける犬。観光客とヒンズー教の聖職者と行者がごったがえしている。彼らはよく慈愛について語る。そうしていると人生と死と永遠を見ることのでいる瞬間を見るようになる。僕はただそこに座っていた。そして、ある瞬間、感じたんだ。人生はなんて美しいのだろうと。

Ione Skye: あるときKeanuのバイクが壊れて道端でKeanuが座っていたことがあったわ。私、はっきりその光景を覚えている。私たちは車を片側に寄せて「ねえ、Keanu、のっていかない?」彼は全然怒らずに、本音の本音で彼はこ「困ってないから。僕のことは心配しなくていいよ」って言ったの。全然気にしていなくて彼が「何か手伝うことない?」という感じなの。彼は悲劇の渦中にあっても彼は幸運に感じると思うの。彼はみんながいうように神様の恩寵があって、魔術的な人なのよ。

Carrie Anne Moss: マトリックスの1作目でネオが撃たれるとき、弾丸が彼の方向にやってくるのだけど、彼は指でそれをつまみあげるでしょ。Keanu自身がそんな感じなのよ。「問題ないよ」という感じ。世界になにか良くないことが起こったら、彼は心を痛めるのだけど。小さな誰かの不正でさえ許さないの。私は彼が演じてきた役柄をなぜ彼が演じてきたかの訳が理解できるわ。

Richard Linklater: 映画は世界に規則的に代わる代わる起こる何か、彼らからすると超越的なことを探す人々をひきつける。人生や人生の暗い皮肉も笑うことができるようになる必要があるよね。少し運命論的だけど「あ、やられた!」的なユーモアなんだ。Keanuはそんなユーモアを持ち続けてきたんだ。

Keanu Reeves: これでMr.. Reeves はそう純粋なやつでもなくなったね。

(註については、当サイトで真偽を調査して記載しています)

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